この世界のはじまりはカオス(混沌)といって、どろんとした塊りのようでした。まだ、空や大地もなく、山や河や海もありません。また、どこにも、生きものはいませんでした。
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黄金・銀・銅・鉄の時代へと流されるかのように、人間は所有欲にとらわれ、どんどん悪くなっていきます。鉄の時代になると、人間を信じていた正義の女神アストライアでさえ、地上を去ったのです。
ユピテルは、人類をほろぼす理由をオリュンポスの神々に語ります。巨人たちの流した血から生まれた、リュカオン王をはじめとする「狂乱」の人間たちで地上が満ちていたからです。
大神ユピテル(ゼウス)は,はじめ雷電で人類を滅ぼすことにしていました。しかし、多くの雷電を落とすと、いたるところで火事がおき、天界にまで火が燃え上がるかもしれません。
大洪水を生きのこったデウカリオンとピュラ。2人は女神テミスに祈り神託を授けられました。「神殿を出よ! 頭をおおって、帯で結んだ衣を解くように! そして、大いなる母の骨を、背後に投げよ!」
デウカリオンとピュラによって生みだされた人間がふえてきたころ、おそろしい生きものも生まれました。巨大なヘビのピュトンです。そこに現れたのが、若きアポロン神です。
アポロンの手がダプネに触れそうになりました。そこは、ダプネの父ペネイオスの河辺。彼女は叫びました。「助けて、お父さま! 河の流れが神性を持っているなら、わたしを別のものにかえてください!」
ユノがおりてきたので、あわてたのはユピテルです。イオを白い牛に変身させました。イオは牛に変身しても、美しい姿をしていました。ユノはユピテルに「その白い牛はだれのものですか?」とききます。
パンから逃げてきたシュリンクスは、とうとう川の岸まできて、これより先には進めなくなりました。彼女は大きな声で、なかまの森のニンフに「わたしを変身させて」と叫びました。
アポロン神は「時」の女神に馬を馬車につなぐよう命じます。パエトンは若者らしくさっと馬車にとび乗ります。そして、たづなを手にするとすっくと立ち、父アポロン神にほほえみました。
天も地も海も、火の熱さで焼かれていきます。大地の女神は大神ユピテル(ゼウス)にどうにかしてくれと叫びます。ユピテルは、雷ていでパエトンを打つことにしました。
キュクノスの男らしい声がか細くなり、髪の毛は白い羽毛になり、胸からは首が長くのび、指は赤くなり水かきでくっつきました。体も羽毛でおおわれ、キュクノスは〈白鳥〉になったのです。