カリストの手からは黒い毛が生えてきました。指の先は、するどいかぎ爪になりました。口は大きくさけて、その声は「ガォー」と言うと、カリストは熊に変身したのです。
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「さしでがましくも、彼女の不貞を知らせ、こんな悲しみのもとを作ったあの鳥も、我が弓や矢も、そしてこの手もみんな憎らしかった」。この時から白いカラスは、黒く変身させられました。
コロニスは、天に手を伸ばしました。すると、その手は軽い羽毛となり黒く変わっていきました。衣服も羽毛となって、体をおおっていきます。小カラスに変身したのです。
アグラウロスは立ち上がろうとしましたが、座っていた足は気だるさで動きません。呼吸も思うようにはできません。もはや言葉もだせす、その顔は血の気もありません。石に変身していたのです。
メルクリウス(ヘルメス)は牛を後ろ向きに歩かせて、牛たちがどこに行ったのかわからなくしたのです。実に巧妙な手口で、いかにも盗みの神の面目躍如といった話。それを見ていたのが、老人バットスです。
海岸の近くでは、アゲノル王の娘エウロぺがチュロスの乙女たちと花を摘んだりして遊んでいました。今回ユピテルが狙った娘が、このエウロぺです。
カドモスへのアポロンの神託「一頭の牛が、荒野でお前と出会うだろう。この牛を案内者として、旅を続けるのだ。牛が休んだ草原に、壁を築き、そこをボイオティアと呼ぶが良い」
アクタイオンの頭からは雄鹿の角が生えてきました。顔と首は伸び、手は前足になり、全身はまだらの毛皮におおわれます。そう、鹿に変身したのです。そんな彼にさらなる災難が襲います。
「セメレお嬢さま、本当にユピテル様だとよいのですが……。名ばかりではあてになりません。何か証拠を見せてもらいなさい。たとえば、本来のご威光を身につけて会いにきて欲しいとか願いなさいませ」
「男の喜びより、女の喜びは9倍大きい!」そう言うと、テイレシアスは「わたしの経験上、ユピテル様の方が正しいです」と大神とその妃ユノに答えました。
エコーが"こだま"だけでの存在になった理由は2つありました。1つは大神ユピテル(ゼウス)の妃ユノ(ヘラ)を怒らせたこと。もう1つは、恋こがれるナルキッソスに拒否されたことです。
ナルキッソス「わたしが望んでいるものは、わたしのなかにある。豊かすぎるわたしの美貌が、そのわたしに、貧しい身であるかのようにそれを求めさせた。ああ、このわたしのからだから抜け出せたなら!」