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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 黄金から銀・銅・鉄の時代へとすぎていくと、人間の心はどんどん悪くなります。
  2. 鉄の時代になると、「所有欲」から親と子、兄と弟、国と国とが争いはじめます。
  3. 人間を信じてきた唯一の正義の女神アストライアでさえも、天上界へ帰ってしまいます。
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

黄金の時代

黄金時代人も動物も仲良く生きていた黄金時代

黄金時代は信実と正義が守られ、人間と人間が争うこともなく、人間が動物を殺すこともありません。みんな仲良く生活していけたのです。

人間は木を切りたおし、船を造ることもなく、異国に旅に出ることもありません。人間は、故郷しか知らずに暮らしていたのです。

毎日が春のようにおだやかな日々が続き、あたたかく爽やかな西風もふいています。大地には食べもの—ヤマモモ、イチゴ、キイチゴ、ヤマグミも実っています。田畑は耕すこともなく、豊かな穂先の穀物を恵んでくれます。

乳の河が流れるかと思うと、ネクタル(甘露)も流れ、木からは黄金色の蜜がしたたっていたのです。

銀の時代

大神ユピテル(ゼウス)とオリュンポスの神々は、サトゥルヌス(クロノス)を王とする巨人ティタン族をたおし、彼らを地の底タルタロスにおとしました。このころから、銀の時代になります。

ユピテルは春だけだった1年を、春・夏・秋・冬の4つの季節にわけました。夏は太陽がギラギラかがやき、強い風も吹きあれます。冬は寒く雪もふり、河や湖は氷におおわれます。だから、人間や動物たちは、寝るために洞くつなどを住みかにしなければならなくなりました。

また、冬には食べものもなくなり、人間は春に種をまき食べものを作ることをはじめました。牛を使って、畑を耕すようにもなったのです。

しかし、銀の時代の人間には悪い心はまだなく、争いもなく幸せに暮らしていました。

銅の時代

銅の時代になると、人間の心は荒々しくなりました。残忍な武器をもつようにもなりました。でも、まだ罪深いというほどではなかったのです。

鉄の時代

鉄の時代になると、人間はあらゆる悪行をはじめます。もはや、信義はなく真実はなくなりました。欺瞞、奸計、陰謀、暴力があふれ、人間は所有欲に支配されます。

人間の所有欲は木をきりだして舟をつくり、海にものりだすようになりました。今まで誰のものでもなかった土地を測量し、境界線で区切るようにもなりました。また、地の中を深くほりすすんで、鉄、銀、金までほしがります。

人間は金の亡者となり、親と子、兄と弟の喧嘩から、隣人どうしの争い、国と国との大きな争いに発展していきます。略奪が生活の手段になったのです。

「敬虔」が地に落ちると、最後にのこっていた正義の女神アストライアも殺戮の血にぬれたこの地上を去ったのです。

羊飼いに別れを告げるアストライアス人間とわかれる正義の女神アストライア