このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. ユピテル(ゼウス)メルクリウス(ヘルメス)が訪れた不信心の村
  2. ただ一軒だけ神々をおもてなしした老夫婦と水没する村
  3. バウキスとピレモン、神殿を守って一生を終える
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

ユピテルメルクリウス、村を訪れる

 

バウキス老婆と夫ピレモンバウキス老婆と夫ピレモン

ある日の夕刻、大神ユピテル(ゼウス)とその子メルクリウス(ヘルメス)は旅人をよそおい、プリュギアの村を訪れました。一夜の宿を求めたのです。しかし、どこの家々も神々をもてなすことはなく、目の前で戸を閉めてしまうのです。ひどい家になると、戸を開けることもしません。

最後に訪れたのが小さくて、いかにもみすぼらしい家でした。その家には、貧しいけど親切な老夫婦が住んでいました。バウキスと夫ピレモンです。かれらは貧しいながらも、ありったけのおもてなしをしたのです。まず湯をわかして、客人の足を洗います。

バウキスは、鍋をあたため新鮮なキャベツを刻んで入れると、ピレモンは豚の背肉の燻製を小さく切ってあたためます。保存していたオリーブの実、山ぐみ、チーズなども出します。なけなしのぶどう酒もふるまいました。

そのあいだ、客人が退屈しないように、いろいろな話もします。そうこうしているうちに、老夫婦は2人が神だと気づきました。ぶどう酒を入れた壺が空になってくると、いつの間にかいっぱいになったからです。

バウキスとピレモンは、あまりに粗末な食事ともてなしの許しをこいました。だから、たった1羽いたガチョウを神々に捧げようとしたのです。しかし、このガチョウがすばしっこくて、老人たちにはつかまりません。とうとう、ガチョウは神々の足元に逃げこみました。

水没する不信心な人々の村

ユピテル(ゼウス)は、ガチョウを料理することをやめさせると、こう言いました。

「私たちは神なのだ。近くの不信心なやからは、ふさわしい報いを受けよう。だが、2人は災いから逃れさせてやろう。これから家をでて、後についてきなさい。あの高い山へ避難しよう」

バウキスとピレモンは杖をつき、神々の後について登ります。しばらくしてふりかえると、自分たちの家を残して、村全部が水の流れの中でした。そして驚くたことに、自分たちの家が、立派な神殿に変わっていったのです。石の門柱、わらの屋根は黄金に変わり、床は大理石になりました。

バウキスとピレモン村は水没

バウキスとピレモン、神殿を守って一生を終える

ユピテル(ゼウス)は、老夫婦にやさしく言いました。「心正しい夫妻よ、望みがあれは言ってみなさい」

バウキスとピレモンは相談してから答えました。「わたしたちは神官になり、あなたがたの神殿を守りとうございます。残された短い人生をともに生きられたら、2人同時に死にとうございます。妻の葬いも見たくありませんし、妻の手で埋葬されたくもないのです」

老夫婦の願いはかなえられ、その時が来ました。2人は階段の前で話していると、ピレモンの体から木の葉がでてきました。また、バウキスの体も葉をつけはじめたのです。全身が葉におおわれるまで、2人は会話していました。

ついに最後がおとずれた時、「さよなら、妻よ」「さよなら、夫よ」と同時に言うと、口も葉でおおわれたのです。

バウキスとピレモン

バウキスとピレモン木に変身するバウキスとピレモン

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