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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 白鳥に変身したキュクノスは、3人います。「キュクノス」とは「明るくなる、白くなる」という意味。また「白鳥座」の意味もあります。
  2. キュクノスは、パエトンの母方の親戚。パエトンを殺した大神ユピテル(ゼウス)を嫌って、水辺に住んでいます。
  3. パエトンの墜落死の悲しみから、アポロンは太陽神の馬車に乗ることを拒否。しかし、世界が暗黒になるのは、「よし」としなかったのです。
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

白鳥に変身したキュクノスの3つのお話

パエトンの友人キュクノス[白鳥のお話①]

パエトンの友人キュクノス

パエトンの母方の親戚であったキュクノス。彼は、とてもパエトンと仲よしでした。そんな彼は、パエトンの墜落とパエトンの姉妹がポプラの木に変身したのを知っていました。

ある日、キュクノスはエリダノス河のほとりにすわって、パエトンの死を悲しんでいました。

すると、キュクノスの男らしい声がか細くなり、髪の毛は白い羽毛になりました。胸からは首がながくのび、指は赤くなり水かきでくっついてしまいました。体もすべて羽毛でおおわれると、くちびるは前に長く黄色いクチバシになりました。キュクノスは〈白鳥に変身してしまったのです。

白鳥になったキュクノスはパエトンを殺したといって、大神ユピテル(ゼウス)とカミナリを嫌いました。だから、白鳥は火とは反対の水が好きで、川や湖の近くで生活しているのです。

コロナイの王キュクノス[白鳥のお話②]

キュクノスはトロイアの南の町コロナイの王で、海神ネプトゥヌス(ポセイドン)の子です。

母カリュケはキュクノスが生まれると、浜辺にすてました。しかし、彼は漁師に助けられます。その時、上に白鳥が飛んでいたので、キュクノスと名づけられました。

また、彼は女の子のような白い肌と美しい髪の毛をしていたため、白鳥(キュクノス)と名づけられたともいわれます。このキュクノスはトロイア戦争でトロイア側につきます。海神ネプトゥヌスの子どもは、体がつよく刀や槍ではたおせません。ギリシャ側のアキレウスは、キュクノスの首をしめてたおしました。

はくちょう座キュクノス Cygnus】白鳥座。明るくなる、白くなるという意味。

アポロンの子キュクノス[白鳥のお話③]

キュクノスはアポロンとヒュリエ(もしくはテュリエ)の子です。神のように美しかったので、たくさんの若者から好かれていました。

しかし、キュクノスが自分勝手になってくると、友達もいなくなりました。たった1人のピュリオスだけが、友達として残っていました。そんなピュリオスに、キュクノスは3つの課題を出します。

  1. ライオンを素手でしとめること
  2. 人間を食べたという2羽の巨大なハゲワシを素手でしとめること
  3. オスの牛を素手でつかまえ、ユピテル(ゼウス)にささげること

3つ目の課題の時、ピュリオスはヘラクレスの助けをかりました。ヘラクレスは、ピュリオスに「もうキュクノスの言うことをきくのは止めなさい」と助言しました。キュクノスはこのことを知ると恥じて、コノペー湖に身をなげました。キュクノスの母ヒュリエも後をおって死にます。

アポロンはキュクノスと母ヒュリエを白鳥にかえ、コノペー湖は白鳥の湖として知られるようになりました。友人ピュリオスも、死後その近くにうめられたといいます。

悲しみのアポロン

息子パエトンが墜落死して、アポロン神は悲しみました。

「もうたくさんだ! 毎日太陽の馬車に乗るのはうんざりだ! だれかほかの神が乗ればいい。しかし、だれも乗ることができないとはっきり言うなら、大神ユピテル(ゼウス)が乗ればいい。そうすれば、あの4頭の馬のすごい力を知ることになろう。馬車をうまく乗れなかったとして、パエトンを雷ていで打つことは間違いだったとわかるだろう」

すべての神々が「なあ、アポロンよ、世界を暗いままにしようとするのは止めてくれないか。ユピテルだって仕方がなかったのだ」と、アポロンに馬車に乗るよう説得します。

アポロンは今もあばれている4頭の馬をあつめると馬車に乗り、いつもより強い力で馬たちにムチを当てます。こうして、世界が暗くなることはなくなったのです。

太陽神アポロン がんばれ!アポロン