- なぜ、パシパエは半人半獣の怪物を生んだのか?
- テセウス、ラビリンス(迷宮)の中のミノタウロスを退治する
- アリアドネ、ナクソス島に取り残される
※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。
※オウィディウス『変身物語』には、テセウスのミノタウロス退治については、詳しく書かれていません。たったの1ページの超あらすじす。ですから、少し補っておきます。
なぜ、パシパエは半人半獣の怪物を生んだのか?
ミノス王はメガラを陥落させた後、クレタ島に帰りました。すると、不名誉な出来事が起こっていました。妃パシパエが半人半獣の怪物を生んだという、忌まわしい獣姦が広まっていたのです。
なぜ、パシパエは半人半獣の怪物を生んだのでしょうか?
ミノス王は、クレタの王国を神々から授けられた証拠として、海神ネプトゥヌス(ポセイドン)に白い雄牛を求めました。海神は、後にその雄牛を生贄に捧げるという条件で、王に与えました。
しかし、あまりにその白い雄牛が立派だったので、ミノス王は別の雄牛を海神ネプトゥヌスに捧げたのです。怒った海神は王を罰することはなく、妃パシパエを狂わせたのです。それで、彼女は白い雄牛に恋狂いしたのです。
パシパエはダイダロスに雌牛のハリボテを作らせ、その中に入ります。こうして、雄牛がハリボテ(中の彼女)を犯し、ミノタウロスが生まれたのです。
テセウス、迷宮のミノタウロスを退治
ミノス王は、この忌まわしい怪物ミノタウロスを、ダイダロスの設計したラビリンス(迷宮)に閉じ込めました。そして、アテナイのアイゲウス王を脅し、戦争を止めるかわりに怪物への生け贄を要求したのです。
テスウスは生け贄の1人として志願し、クレタ島に行きます。しかし、問題はたとえミノタウロスを退治できたとしても、ダイダロスが作った巧妙なラビリンスから出られないことです。
悩んでいるテセウスを助けたのが、彼に一目惚れしたアリアドネです。彼女はダイダロスの知恵をかり、糸の玉をテセウスに持たせます。
テセウスはみごとミノタウロスを退治し、糸をたどって無事ラビリンスから出られました。あとはミノタウロスを倒したことが発覚する前に、アテナイへ逃げることです。テセウスたちはアリアドネを連れて、クレタ島を脱出しました。
アリアドネ、ナクソス島に取り残される
悲しみのアリアドネ
大急ぎで逃げてきたテセウスたちは、ナクソス島で休憩をとりました。
しばらくして「クレタの船が追ってきたぞ〜」と、見張りが大声で叫びました。テセウスたちは大急ぎで出発。その時、アリアドネは眠っていて、船に乗り遅れてしまったといいます。
どうも、これは不自然です。恩人の彼女を置いていくわけがありません。最初から彼女を連れてこなければいいわけですから。別説では、女神アテナが置いていくよう命じたということです。
悲しみにくれるアリアドネ。捨てる神あれば、拾う神あり。そんな彼女に愛と救いの手をさしのべたのが、酒神バッカス(ディオニュソス)です。
アリアドネが死ぬと、酒神は彼女の冠をとって空に投げました。彼女が星となって、いつまでも輝くようにしたのです。それが[冠座]で、[ヘラクレス座]と[蛇使い座]の中間に場所をしめています。
バッカスとアリアドネ