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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. ラオメドン王はトロイア滅亡の王プリアモスの父
  2. アポロンとネプトゥヌス(ポセイドン)の築城への報酬を拒否
  3. ヘラクレス、ラオメドン王の娘ヘシオネを救う
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

ラオメドン王はトロイア滅亡の王プリアモスの父

ラオメドン王の父はイーロス。都市トロイア(イリオス、イリオン、トロイとも呼ばれます)の建設者であり、ユピテル(ゼウス)にさらわれたガニュメデスの兄弟です。

イーロスはプリュギア王が開催したレスリング大会で優勝し、賞品として50人の少年と少女をえました。またプリュギア王は神託に従い彼にまだらの牝牛を一頭与え、牝牛が横たわった場所に都市を築くように伝えました。

イーロスは、牝牛の後をついていくと、牝牛はあるところで横になります。イーロスは、そこにトロイアを建設しました。その時、彼はゼウスに徴(しるし)を示して欲しいと願いました。すると、パラディオンがテントの前に天から落ちてきました。

イーロスの後はラオメドンがトロイアを継ぎました。

パラディオン都市の安全を守るとされた古い像。 特に、オデュッセウスとディオメデスがトロイアの城塞から盗んだアテーナの木像を指します。

トロイアの城壁トロイアの城壁

アポロンとネプトゥヌス(ポセイドン)の築城

アポロンとネプトゥヌス(ポセイドン)は人間に化けて、ラオメドン王と報酬を得る約束のもと、トロイアの城壁を築きました。(一説によると、ラオメドン王の傲慢さを試すため)

しかし、城壁が完成したときラオメドン王は報酬を払わないばかりか、両手を縛って売り飛ばすと脅して帰らせようとしました。

怒ったアポロンはトロイアに疫病を起こし、ネプトゥヌスは海の怪物を送ります。怪物は高潮に乗って陸に上がり、人々を襲って喰らいます。

ラオメドン王が神託に問うと、娘のヘシオネを怪物に捧げれば救われると告げられます。王はしかたなく、娘ヘシオネを海岸の岩に縛りました。この娘を助けたのが、ヘラクレスとテラモン(アキレウスの父ペレウスの兄弟)です。

ラオメドン王の支払い拒否ラオメドン王がアポロンとポセイドンへの支払いを拒否

ヘラクレス、ラオメドン王の娘ヘシオネを救う

ヘラクレスはゼウスがガニュメデスの代償にトロース王に与えた神馬を欲しいと思っていました。

ヘラクレスはアマゾンの国から帰る途中にトロイアに立ち寄った時のことです。そしてラオメドン王の娘ヘシオネが海岸に縛られているのを見て、トロースの馬を報酬にくれるならば怪物を退治すると申し出ました。

ラオメドン王は承諾し、娘を助けてもらいました。しかし、王は約束を守らず、ヘラクレスは怒り、いつか復讐すると告げてトロイアをいったん出航します。

後にヘラクレスが軍を率いてトロイアを攻めてきます。ラオメドン王は船を攻撃し、留守を守っていたオイクレスを殺しましたが、トロイアは包囲されました。

そして、テラモンに城壁を破られ、トロイアは攻め落とされます。ラオメドン王はヘシオネとプリアモスを除く子供たちとともに射殺されました。

ラオメドン王がヘラクレスの使者テラモンたちを牢に閉じ込めたとき、プリアモスだけが反対していたのです。そのため、トロイアはプリアモスが王となり、ヘシオネはテラモンの妻となりました。

※オウィディウス『変身物語』には書いてないことも付け足しました。

ヘラクレス、ラオメドン王を射殺すヘラクレス、ラオメドン王を射殺す