※本ページにはプロモーションが含まれています。

このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. アルクメネとイオレ(ヘラクレスの息子の妻)
  2. ユピテルの妃ユノ(ヘラ)、出産の女神にアルクメネの出産を遅らせる
  3. アルクメネの侍女ガランティスの機転が自らの不幸を招く
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

アルクメネとイオレ(ヘラクレスの息子の妻)

ヘラクレスは死を迎える時、息子ヒュロスにイオレと結婚するよう命じました。イオレは、ヘラクレスの妻デイアネイラが夫の愛人だと疑った女性です。そのため、ヘラクレスは死ぬことになったのです。

このイオレとヘラクレスの母アルクメネは、大変仲がよく幸せに暮らしていました。イオレが妊娠した時、アルクメネは彼女にヘラクレスを出産したときの苦労話をしました。

アルクメネーが産気づいた時、ユピテル(ゼウス)は生まれてくる子(ヘラクレス)をミュケナイの王位につけようと思い、「今日生まれる最初のペルセウスの末裔が、全アルゴスの支配者となる」と誓言しました。

ユピテルの妃ユノ(ヘラ)はアルクメネの出産を遅らせるため、出産の女神エイレイテュイアを遣わしたのです。他の末裔エウリュステウスをミュケナイの王にするためです。

出産の女神、アルクメネの出産を遅らせる

出産の女神エイレイテュイアは戸口の祭壇の前に腰を下ろすと、指を組み合わせて呪いをかけます。そのため、アルクメネは陣痛はするのですが、出産できません。長い間、その苦痛は続きました。

ある日、アルクメネの忠実な侍女ガランティスは、そのことに気づきました。彼女は女神の前にいくと、機転をきかしてこう告げたのです。

「どなたかは存じありませんが、わたしの奥様に祝福を! たった今、アルクメネ様は身軽になられました。願いがかない、母となられたのです」

ヘラクレスの出産ヘラクレスの出産

[挿絵]中央の2人、右の2人が女神エイレイテュイアとガランティス。異時同図法といって、時間の経過を1枚の絵の中に表現しています。

アルクメネの侍女ガランティス、イタチに変身

ガランティスの言葉に、出産の女神エイレイテュイアは驚きました。びっくりして飛び上がり、組んでいた指を解いてしまったのです。

その瞬間、アルクメネはヘラクレスを出産できたのです。

ここで終わっていればよかったのですが、若いガランティスはいっぱい食わせられた女神がおかしくて笑ってしまったのです。

怒った出産の女神は彼女の髪をつかむと、引きずり倒したのです。起きようとするガランティス。そうはさせまいと女神は彼女の腕を前足に変え、イタチに変えてしまったのです。

また、嘘を言ったということから、イタチは口から子供を産むようにしました。それからも、イタチになったガランティスは、しばしばアルクメネの家に遊びにきていたといいいます。

※当時、イタチは口から子を生むと信じられていたのです。

イタチ