このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. エウエノス河の急流にさしかかったヘラクレスと新妻デイアネイラ
  2. デイアネイラを略奪する半人半馬のネッソス
  3. ヒュドラの血がついた矢で射殺されるネッソスの復讐
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

ヘラクレスと新妻デイアネイラ

ヘラクレスが新妻デイアネイラをつれて、生地ティリュンスに帰るときのことです。2人は、エウエノス河の急流にさしかかりました。河は冬の雨で増水していて、かなりの速さで流れています。

ヘラクレスは1人なら難なく渡れるのですが、デイアネイラは渦を巻いている流れを怖がっています。

そこへ現れたのが、半人半馬のネッソス。彼の頑丈な馬の体は高さもあり、困っているヘラクレスに提言しました。「わたしは河の浅瀬もわかっていますので、こちらの娘さんは私の背に乗せて渡りましょう。水に濡れることもありません」

ネッソスも怖がっている様子のデイアネイラでしたが、ヘラクレスは彼女を託してから言いました。「おれは河には勝たねばならぬ。ちょっと前にアケロオス河に勝ったのだからな」。ヘラクレスはそう言うと、弓と棍棒を向こう岸に放りなげました。

デイアネイラを略奪するネッソス

デイアネイラを略奪する半人半馬のネッソスデイアネイラを略奪するネッソス

ヘラクレスは向こう岸に着くと、投げておいた弓と棍棒をとりあげました。そのときです、デイアネイラの悲鳴が聞こえたのです。なんということでしょうか。ネッソスが、デイアネイラを背に乗せたまま逃走したのです。

ヘラクレスは、叫びました。「この乱暴者! おれの妻に手を出したらただではおかぬ。お前の父イクシオンが、ユノ(ヘラ)にちょっかいを出して、地獄の車輪につながれているのを忘れたのか。いくら駆けるのが速くても、弓矢にはかなわないぞ!」

矢で射殺されるネッソスの復讐

ヒュドラーの矢を放つヘラクレスヒュドラーの矢を放つヘラクレス

ヘラクレスは、ヒュドラの毒矢をネッソスに向かって放ちました。矢はみごとネッソスの背を射抜いて、胸から矢尻が出たほどです。ネッソスが矢を引き抜くと、血が流れ出てきます。この血には、ヒュドラの毒が混じっています。

「ただでは死なぬ。きっと仇を取ってやるからな!」ネッソスはそう言うと、かけていた布に、血を含ませました。

それから、血に染まった布をデイアネイラに渡してこう言ったのです。「自分の血には、媚薬の効果がある。ヘラクレスが心変わりしたときには、この血のついた布を使え!」と。

まだ何もわからない若いデイアネイラは、ネッソスの言葉を信じました。毒の血が染みた布を持ち物の中にそっと隠したのです。

この血に染まった布が、いずれヘラクレスに死をもたらすのです。

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