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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 老いた海神プロテウスの予言
  2. 海の女神テティスvsユピテル(ゼウス)の孫ペレウス
  3. トロイア戦争の原因となったテティスとペレウスの結婚
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

老いた海神プロテウスの予言

ある日、老いた海神プロテウスが、テティスに言いました。

「海の女神よ、身ごもるがよい。あなたは、ひとりの若者(アキレウス)の母となるであろう。その若者は成人した暁には、父親の業績をしのぎ、父よりも偉大な者と呼ばれるであろう」

ユピテル(ゼウス)が、海の女神テティスと結ばれることを避けた理由です。ユピテルは自分より偉大な者が、この世に生まれては具合が悪いのです。

海の女神テティスvsペレウス

女神テティスvsペレウス女神テティスvsペレウス

テッサリアの入江の近くに、テンニンカの木立があります。イルカに乗った裸のテティスは、その中ほどにある洞穴に昼寝するためよくやってきます。

寝ているテティスを、ペレウスは襲いました。とうぜん、女神は抵抗し鳥に変身すると、彼は翼をつかみ逃しません。次に女神が大木に変身すると、彼は抱きつきます。さらに女神が虎に変身すると、さすがのペレウスも恐ろしくなり、身を引いてしまいました。

ペレウスは海の神々に祈りました。酒を注ぎ、羊の臓物を供え、香をたきます。すると、予言の力をもった老いた海神プロテウスが、渦巻く波間から現れ言いました。

「ペレウスよ、お前はテティスを花嫁にできるだろう。洞窟で眠っている女神に悟られぬよう、罠と強靭な綱で縛り上げるのだ。女神が何に変身しようと、もとの姿に戻るまでじっと取り押さえていることだ!」

トロイア戦争の原因の原因となったテティスとペレウスの結婚

太陽神ヘリオスの車駕が、西の海に迫ろうとしていた時、テティスは再び洞窟にやってきて眠りました。ペレウスは老いた海神プロテウスの言う通りにしました。

今度は、女神テティスが何に変身しようと、ペレウスはじっと我慢し、女神の上におおいかぶさっていたのです。

女神テティスもついにあきらめ、ペレウスにこう言いました。「わたしの負けだわ。これも、大神のおはからいでしょう」
こうして、人間ペレウスは、女神テティスを花嫁にできたのです。

彼らの結婚の宴に投げ入れられた黄金のリンゴが、ユノ(ヘラ)、ミネルウァ(アテナ)、ウェヌス(アフロディテ)の争いとなり、ユピテル(ゼウス)はパリスに審判を委ね、あのトロイア戦争の原因になりました。

また、ペレウスと女神テティスの子が、あの偉大なアキレウスです。