- アンドロメダの元婚約者ピネウス、ペルセウスの婚儀に乱入!
- ペルセウス vs 元婚約者ピネウス、壮絶な戦いで双方数百人もの人が死ぬ
- ペルセウス、メデューサの首でピネウスたちを大理石にする
※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。
元婚約者ピネウス、ペルセウスの婚儀に乱入!
ペルセウス vs アンドロメダの元婚約者ピネウス
アンドロメダの元婚約者ピネウスは、彼女の叔父です。彼女が生贄として岩に鎖で縛りつけられていた時は、何もできずに見ているだけでした。
しかし、ペルセウスの婚儀のおり、自分の部下数百名を連れて乱入してきたのです。理由は、単に「アンドロメダの元婚約者だから、嫁を取り戻す」ということです。宴は、一瞬にして修羅場と変わりました。
アンドロメダの父王ケペウスが叫びます。
「何をするのだ。かりにもわたしの弟ではないか! ペルセウス殿の勲の返礼にこんなばかな真似をするとは! 娘をお前の手から奪ったのはあの怪物ケトスであろう。それとも、わたしに対する嫌がらせか!」
ピネウスは答えず、兄ケペウスとペルセウスを交互に見ていました。それから彼は、槍をペルセウスに投げつけました。すかさず、ペルセウスも椅子から立って槍を投げます。ピネウスの槍ははずれ、ペルセウスの槍はピネウスの部下ロイトスの額に刺さりました。
ペルセウス vs ピネウス、壮絶な戦い
こうして、宴の広間はペルセウス&王の配下とピネウス一派の壮絶な戦いになったのです。女神ミネルウァ(アテナ)も降臨して、ペルセウスを勇気づけ、アイギスの盾で彼を守ってやります。
両陣営の多数の者が入り乱れ、殺し合い、死んでいきます。今や、王の黄金の広間のいたるところで死体がおり重なっているありさまです。
ピネウス一派はペルセウス1人を狙っています。彼の頭、右や左に槍や剣が飛んできます。彼は石の柱を背に、正面に集中します。しかし、敵の数はペルセウス1人で立ち向かうには多すぎます。
ペルセウスは決意しました。「こうなったからには、かつての敵メデューサに助けを求めよう。味方のものは顔をそむけるように」そう言うと、メデューサの首を突き出しました。襲いかかってくる敵は次々に大理石となって、その数は200人にも達したといいます。
ペルセウス、ピネウス一派と戦う
ペルセウス、メデューサの首でピネウスを大理石に
ピネウスは、もはや敗北を認めざるをえません。首を横に向けてペルセウスに言いました。
「ペルセウスどの、メデューサの首をどけてくれ。君に対する憎しみや権力欲から、この戦いを起こしたわけではない。ただ、許嫁であったアンドロメダが欲しかったからだ。命だけは助けてくれ。他のものはなんでもやろう」
「臆病なピネウスよ、わたしからも贈り物をさしあげよう。怖がることはない。これからは剣で傷つけられることはなくなるだろう。また永劫に滅びない記念碑となるのだ」
こう言うと、ペルセウスは不安そうにしているピネウスの顔の前にメデューサの首を持ってきました。ピネウスは大理石となったのです。
この後ペルセウスはアンドロメダを連れて、故郷アルゴスへ帰りました。その頃、祖父アクリシオスを武力で追い払った祖父の双子プロイトスをメデューサの首で石にしました。
さらに「メデューサを退治したのは嘘だ」と公言していた、母ダナエに横恋慕していたセリポス島の領主ポリュデクテスをも石にしました。
こうしてペルセウスの一連の冒険は、いちおう幕を閉じます。