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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 9人の詩神(ムーサイ)とは? 芸術の神・アポロンが主宰しています
  2. 9人の詩神(ムーサイ)一覧と主な役割
  3. 9人の詩神(ムーサイ)に乱暴しようとしたピュレネウス
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

9人の詩神(ムーサイ)とは?

パルナッソス山にあるアポロンとムーサたちパルナッソス山にあるアポロンとムーサたち

(1人の詩神=ムーサ、複数の詩神=ムーサイ

ヘシオドスの『神統記』によれば、9人のムーサたちは大神ユピテル(ゼウス)とムネモシュネの娘でとされており、「黄金のリボンをつけたムーサたち」と形容されることがあります。ムーサたちはパルナッソス山に住み、芸術の神・アポロンが彼女たちを主宰しています。

ムーサたちがピエロスの娘たちと歌を競ったとき、ムーサたちの歌を聴いたヘリコン山(ボイオティアの山)は異常に膨れ上がって天界にも届きそうになりました。そこでペガソスはネプトゥヌス(ポセイドン)の命により、ヘリコン山を蹴って元に戻したといいます。またヘリコン山にはヒッポクレネ(馬の泉)という泉があり、ペガソスが蹴った場所に湧いたとされています。

9人の詩神(ムーサイ)一覧

詩神(ムーサイ)クレイオ、エウテルペ、タレイア

カリオペ 叙事詩/書板と鉄筆 美声
クレイオ 歴史/巻物または巻物入れ 讃美する女
エウテルペ 抒情詩/笛 喜ばしい女
タレイア 喜劇・牧歌/喜劇用の仮面・蔦の冠・羊飼いの杖 豊かさ
メルポメネ 悲劇・挽歌/悲劇用の仮面・葡萄の冠・悲劇の靴 女性歌手
テルプシコラ 合唱・舞踊/竪琴 踊りの楽しみ
エラト 独唱歌/竪琴 愛らしい女
ポリュムニア 讃歌・物語
ウラニア 天文/杖・渾天儀・コンパス 天上の女
詩神(ムーサイ)メルポメネ、エラト、ポリュムニア

9人の詩神(ムーサイ)とピュレネウス

ペルセウスと行を一緒にしてきた女神ミネルウァ(アテナ)は、セリポス島をあとにし、ヘリコン山にやってきました。「天翔るペガソスの蹄が切り開いたという泉を、ひと目見たい」とやってきたのです。

「どんな理由であれ、女神さまがわたしたちの家をお訪ねいただくのは嬉しいかぎりです。ペガソスが蹄で作ったという泉の噂はほんとうです」と、ムーサたちの1人ウラニアが答えます。

女神ミネルウァは、しばらくその泉ヒッポクレネを眺めていました。それからムーサたちの仕事や住処の素晴らしさをたたえました。

ムーサたちの1人が答えました。
「でも、恐ろしいピュレネウスがいまも目先にちらついて、心の傷は癒えておりません。わたしたちがパルナッソスの神殿を目指して旅をしている時、彼は優しく話しかけてきました。『記憶の娘ごたち、この悪天候と雨をわたしの家でおさけくださいますように』

わたしたちはピュレネウスのご好意を受け、家に入りました。やがて雨も止み、わたしたちは出発しようとしました。すると、彼は扉を閉め、わたしたちに暴力をふるおうとしたのです。わたしたちは翼により、難を逃れました。

ピュレネウスは高い砦の上に立つと、『お前たちがどこへ行こうと、俺もそこに行くのだ!』と狂乱状態で身を投げたのです。顔の骨は砕かれ、地上をのたうちまわり、大地を地に染めたのです」