※本ページにはプロモーションが含まれています。

このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 女神ミネルウァ(アテナ)に聞こえてきた鳥の声?
  2. [競技]ピエロスの娘 vs ムーサ(詩神)
  3. 森のやかまし屋カササギになったピエロスの9人の娘たち
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

女神ミネルウァに聞こえてきた鳥の声?

カササギカササギ

女神ミネルウァ(アテナ)がムーサたち(詩神)と話している時、人間の声のような言葉が聞こえてきました。それはなんと、元は人間だっだった鳥の声でした。

1人のムーサ(詩神)が話します。
「あの鳥たちは、最近鳥に変身したのです。わたしたちと歌くらべをして負けたからです。父親は、ペラの地の裕福なピエロス。母親は、パイオニアのエウイッペです。彼女たちは9人姉妹で、その数の多さが自慢でした。

そして、この地へやってくると『ヘリコンの女神さま、無知な俗衆をうわべの甘さで欺くのはおやめさい。自信がおありなら、わたしたちと競技をすることです』と歌くらべを挑んできたのです」

9人のムーサと古き3柱のムーサ9人のムーサと古き3柱のムーサ(全12人)

ピエロスの9人の娘 vs ムーサたち9人

1人のムーサ(詩神)が話し続けます。
「『数にしても同じ9人ですし。声にかけても、技にかけても負けはいたしませんわ。わたしたちが勝てば、このピッポクレネの泉とボイオティアのアガニッペの泉をいただきましょう。わたしたちが負ければ、マケドニアの野から雪深いパイオニアまで差し上げます。競技の審判は妖精たちにやらせましょう』わたしたちムーサイも引き下がるわけにはいきません」

妖精たちは公正を誓い、審判を務めることになりました。

ピエロスの1人の娘が歌い出します。それは、巨人族をほめたたえ、オリュンポスの神々を貶めるのです。

巨人族と神々の戦い(ギガントマキア)の時、最強の怪物テュポエウス(チュポン)が、神々をエジプトに逃げさせた話です。その時神々は動物や鳥に変身して、ナイル川に逃れたのです。

ユピテル(ゼウス)は雄羊に、アポロンは鳥に、バッカス(ディオニュソス)は山羊に、ディアナ(アルテミス)は猫に、ユノ(ヘラ)は雌牛に、メリクリウス(ヘルメス)は朱鷺-トキに。

だからエジプトの神々は、動物や鳥の頭をしているのです。

※ユピテル(ゼウス)は、ギガントマキアの終盤に一度テュポエウスに負けます。

ギリシャ・ローマ神話上最強の怪物チュポエウス(チュポン)ギリシャ・ローマ神話史上最強の怪物テュポエウス(チュポン)

カササギになったピエロスの9人の娘たち

ムーサ(詩神)は話します。
「女神ミネルウァ(アテナ)様、わたしたちは叙事詩担当のカリオペにまかせました。彼女は次の叙事詩を歌いました。

  1. 冥府の王ハデスのプロセルピナの略奪
  2. ハデスを阻止できず、水になって消えた妖精キュアネ
  3. 豊饒の女神ケレスの放浪と悲しみ
  4. ミミズクに変身するアスカラポスと海の怪物セイレーン
  5. 泉の妖精アレトゥーサの告白
  6. トリプトレモスと山猫(リュンクス)の話

審判の妖精たちは、ムーサ(詩神)の勝ちを宣言しました。すると、ピエロスの娘たちは、悪口の限りを尽くしました

わたしたちの一番上の姉が言いました。
「あなたたちは、競技をしかけたことだけで刑罰に値するのですよ。その上悪口を言うなんて! わたしたちの忍耐も限界があります。もはや罰せざるを得ません。手心は加えませんよ」

ピエロスの娘たちは笑い出し、何か言おうとしました。大声を出し、わたしたちに手まで出そうとしたのです。すると、その手に羽毛が生え、口は硬いクチバシとなり、新しい鳥に変身したのです。この鳥が、森のやかまし屋おしゃべり好きのカササギなのです」

カササギカササギ