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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 妹としての感情にとまどうビュブリス
  2. 「神々の近親結婚は、神々だけの掟なのだろうか?」
  3. 「あとはあの人(カウノス)の判断に任せればいい」
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

妹としての感情にとまどうビュブリス

アポロンとディオネ(?)の子ミレトスは、ミノス王のクレータ島を離れ小アジアに国を作りました。ミレトスと河神マイアンドロスの娘キュアネエの子が、カウノスとビュブリスの兄妹です。

カウノスと遊んでいるとき、ビュブリスは兄に抱きついたり、キスをしたりしました。それはふつうの兄妹の戯れとは違っていました。ビュブリスは妹としての想いをこえ、女としての振舞いだったのです。

また、カウノスと一緒に誰か美しい女がいると、ビュブリスは嫉妬しました。また、彼女は兄から「妹よ」と呼ばれるより、「ビュブリスよ」と呼ばれたかったのです。

昼間は不純な望みを抱かなかったのですが、夢の中ではビュブリスは兄カウノスに抱かれたりしていたのです。彼女はそんな自分に思い悩みました。

「けっして、夢の中のできごとが現実に起きませんように。でも、あの人(カウノス)は美しい。誰が見たって祖父のアポロン 様のよう。わたしだって恋してしまう。夫としてもきっとふさわしい。でも、わたしは妹だから、困ってしまう。

しかし、眠りには、立会人はいない。だから、ウェヌス(アフロディテ)様、少しは官能の喜びを味わってもいいでしょ思い出すだけでも、ドキドキしてしまう」

神々の近親結婚は神々だけの掟なの?

ビュブリスはこうも問います。

「サトゥルヌス(クロノス)は妹オプス(レア)を、大洋の神オケアノスはテテュスを。そして、ユピテル(ゼウス)は姉ユノ(ヘラ)を妃として迎えられた。これは、神々だけの掟なのかしら?

ああ、でも、許されぬ恋の火は、心から追い払うこと。それができなければ、命を終えることを願おう。

ところで、恋には2人の合意が必要。わたしはうれしいけど、あの人(カウノス)は罪悪とうつるだろうか。風の神アイオロスの息子たちは、姉妹との結婚を恐れなかった。わたしは、何を言っているの。みだらな想いは遠くへ行っておしまい!

でも、あの人(カウノス)がわたしを恋するようになったら、わたしはその欲情を受け入れる。だとしたら、わたしから先にしかけたらどうだろうか」

アイオロスゼウスの好意から風を支配する力を有し、浮き島であるアイオリア島に住む。男女6人ずつ計12人の子があり、子供たちはそれぞれが夫婦です。

あとはあの人(カウノス)の判断に任せればいい

わたしから先にしかけると決心したビュブリス。

「ビュブリス、お前にそんなことが話せるの? 打ち明けることが? 愛が言わせるのだから、できるに決まっている。でも、できなければ、口で言うのが恥ずかしいなら、手紙で告白すればいい」

ビュブリスはゆれ動く心に打ち勝ち、決心しました。

「あとは、あの人(カウノス)の判断に任せればいい。この狂おしい想いを打ち明けて。ああ、心を燃やすこの火は、わたしをどこに連れて行くのだろう?」