- ペルセウスとアンドロメダの婚儀のおり、ペルセウスはメデューサ退治を語ります。
- グライアイから聞き出したゴルゴンの住処とメデューサ退治
- 髪の美しい娘だったメデューサの悲劇
※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。
ペルセウスとアンドロメダの婚儀
ペルセウスは3つの祭壇を設けました。左にメルクリウス(ヘルメス)、右にミネルウァ(アテナ)、そして中央にユピテル(ゼウス)の祭壇です。彼はそれぞれの祭壇に、メルクリウスに仔牛、ミネルウァに雌牛、ユピテルに雄牛を捧げました。
ペルセウスは、アンドロメダを花嫁に迎えます。「婚礼の女神(ヒュメナイオス)」「愛神(アモル)」が行列を先導します。家々には花環が飾られ、おびただしい香もたかれ、竪琴と笛と歌声が至ところで響いています。
アンドロメダの父王ケペウスの黄金の広間の扉が開くと、国中の貴賓者が顔を揃えています。宴もたけなわを過ぎた頃、ペルセウスにこんな質問がありました。「勲あるペルセウス殿、お聞かせください。どうのようにメデューサの首を取ることができたのですか」。一同が聞きたいことでした。
ペルセウスのメデューサ退治
美しかったメデューサがよくわかる絵画
ペルセウスは語ります。
「冷たいアトラスの山裾に、ポルキュスの娘で2人のグライアイ(老女)が住んでいたのです。老婆2人※で1つの目を使っていたのです。わたしはその目を奪って、ゴルゴンの住処を聞き出しました。長い山道、岩場を進んでいくと、住処の近くには人間と言わず、動物も含め多くの石像が散らばっていました」
※グライアイは3人と言われることが多いです。
ペルセウスは一息入れて、核心の話をしました。
「わたしは左手に持った盾にメデューサの姿を映して近づいたのです。そして、メデューサがその髪の蛇ともども熟睡している間に、首を切り落としたのです。その時、首からほとばしる血から天馬ペガソスとその兄弟クリュサオル(黄金の剣を持てる者)が生まれたのです」
この後、ペルセウスはメデューサ退治の後、翼ある靴で諸国を回ったことや星々にも近づいたことなども話しました。
メデューサの死:天馬ペガソスとクリュサオルの誕生
髪の美しい娘だったメデューサの悲劇
ある夫人が「ゴルゴンの姉妹の中で、どうしてメデューサだけが頭髪が蛇なのですか」とペルセウスに尋ねました。
ペルセウスは「良い質問ですね」と言って話はじめました。
「メデューサは髪の美しい娘で、多くの求婚者がいたのです。その彼女をネプトゥヌス(ポセイドン)が、ミネルウァ(アテナ)の神殿で辱めたというのです。女神は恥ずかしさで顔をそむけ、赤くなった純潔な頬をアイギスの盾で隠したといいます。
ネプトゥヌスの乱暴のせいですが、女神ミネルウァから可哀想なことにメデューサは罰を受けたのです。自慢の髪の毛を蛇に変えられたのです。そして、女神は恐怖を与えるために、メデューサの首をアイギスの盾につけているのです」
女神ミネルウァ(アテナ)のアイギスの盾