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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. メドゥーサの首を取ったペルセウス、西方のアトラスの国ヘスペリアを訪れます。
  2. ペルセウス、アトラスに一宿一飯を願います。
  3. ペルセウスの願いを拒否するアトラス、メドゥーサの首で岩山となり全天空が乗ります。
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

西の果てヘスペリアに来たペルセウス

メドゥーサの首をとったペルセウスは空を飛んでいる時、リュビュア(アフリカのナイル川より西側の北西地区)の上空にやってきました。その時、キビシスの袋に入れられたメドゥーサの血のしずくがしたたり落ちました。落ちた地から蛇が生まれ、やがてこの土地には蛇類が多いいるようになったのです。

ペルセウスが空中をさらに西方へ、西の果てヘスペリアの国に着いたのは夕暮れ時でした。この国はイアペトスの子巨人アトラスが住んでいます。同じくイアペトスの子プロメテウスとは兄弟になります。

アトラスを訪れるペルセウス

「お頼みします」とペルセウスは、アトラスに言いました。「もし立派な家柄の人を受け入れるというのであれな、わたしはユピテル(ゼウス)の子です。あるいは勲を尊ばれるならば、わたしはそれに値する者です。どうか一宿のご厚情にあずかれればありがたいです」

ヘスペリアの国には、黄金のリンゴがなるヘスペリデスの園があります。それについて、かつてパルナッソス山の女神テミスの神託がありました。

「アトラスよ、お前の木から、黄金の輝きが奪われる日が来よう。それを奪いとる栄誉があるのはユピテルの息子だ」じつは、このユピテルの息子とはヘラクレスをことでした。ヘラクレスの11番目の功業です。

だから、アトラスは神託のユピテルの子をペルセウスだと思ったのです。「ここへは近寄らぬことだ。ユピテルの息子とか、あんたの勲なんてどうでもいい。殺される前に消えろ!」と脅したのです。

ペルセウスといえど腕力では、巨人アトラスにはかないません。

アトラスとペルセウス

アトラス、大きな岩山になる

アトラスとペルセウス

「よろしい。わたしをもてなすのが嫌だと言うなら、これを見よ!」ペルセウスはメドゥーサの首を取り出すと、アトラスの顔の前に突き出しました。

たちまちアトラスは、大きな岩山に変わりました。頭は山頂になり、髪とひげは樹木となり、手と肩は尾根になったのです。

それから、体は西方に果てしなく広がり、全天空がたくさんの星々とともに彼の上に乗っかったのです。それが神々のみ心だったのでしょう。

アトラス