- ダイダロスが羨んだペルディクスの才能
- ダイダロス、ペルディクスをアクロポリスから落とす。
- 女神ミネルウァ(アテナ) は落ちるペルディクスを抱きかかえ、鳥に変身させました。
※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。
ダイダロスが羨んだペルディクスの才能
ダイダロスが息子イカロスを埋葬している時、ずんぐりした鳥が喝采するかのように翼をふり、喜んでさえずっていました。それが、ペルディクスで、ダイダロスの妹の息子です。
ダイダロスの妹は、息子ペルディクスを兄ダイダロスに弟子入りさせたました。それは、ペルディクスが12歳ほどの時でした。彼は教えられたことはなんでも理解し、吸収していきました。それだけではなく、発明する才能も持ち合わせていたのです。
たとえば、魚の背骨を見て、中心となる鉄片にギザギザの歯の列を付けくわえ、ノコギリを発明しました。また、2本の細い鉄棒の一方の端をむすび、円をえがくコンパスも発明しました。
ダイダロス、ペルディクスを落とす
ペルディクスを落とすダイダロス
いつしか、ダイダロスはペルディクスの才能をうらやみ、憎みました。ラビリンスを設計したほどの才能を持ったダイダロスにさえ、そう思わせたペルディクス。そのまま成長していたら、ダイダロスの名声をはるかにしのいでいたことでしょう。
ペルディクス、鳥に変身する
とうとう、ダイダロスはペルディクスを女神ミネルウァ(アテナ)ゆかりのアクロポリスから突き落としてしまいました。そして「彼は誤って落ちたのだ」と、嘘までついたのです。
女神は落ちるペルディクスを抱きかかえ、鳥に変身させました。その名はペルディクス、つまりシャコ(ウズラとも)になったのです。
シャコ(ウズラとも)は翼を持っていますが、落下するときの恐怖が心の傷となっています。だから、高いところには飛び上がりません。また、木の上には巣を作らず、生垣などの低いところで卵を生みます。
ダイダロスが息子イカロスを埋葬していたとき、ペルディクスさぞかし胸がスッキリしたことでしょう。はしゃいだ理由がよくわかります。
※オウィディウス『変身物語』では、ダイダロスに弟子入りしたのがペルディクスとなっていますが、別説ではペルディクスの子が弟子入りしたともあります。
鷓鴣(シャコ)