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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. アテナイと戦うミノス王、オイノピア(アイギナ島)のアイアコス王を脅す
  2. アテナイの使者ケパロス、盟約をふまえてアイアコス王に援軍を求める
  3. アイギナに敵意を抱く女神ユノ(ヘラ)の怒り、疫病をおこす
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

ミノス王、アイアコス王を脅す

アイアコス王に会うミノス王アイアコス王に会うミノス王

(この話は、ミノタウロスへの生贄が始まる前のことです)

息子アンドロゲオスの仇を討とうとギリシャ近海に攻めてきたクレタ王ミノス。クレタは島国ですから、その海軍というべき快速艇の威力によって、多くの島国がミノス王の味方になりました。

ミノス王が次に目指したのが、アイアコス一族のオイノピア(アイギナ島)へと進路を向けました。

アイアコス王をはじめ、長男テラモン(『トロイア戦争』大アイアスとテウクロスの父)、次男ペレウス(アキレウスの父)、三男ポコスもミノス王を迎えました。アイアコス王は、ミノス王に来訪の理由を問いました。

ミノス王は父親の悲しみからため息をつき答えます。「アテナイと戦うのは、彼らに殺された息子のためだ。義の戦いのために、援助をお願いしたい。どうか味方していただけないだろうか!」

「せっかくだが、お断りしなければなりません。わが国はアテナイと緊密な盟約を結んでいますから」とアイアコス王。

「その盟約とやらが、あなたの国には高くつくことになりましょうな」とミノス王は言い、渋い顔をして引きあげました。ここで戦力を減らすわけにはいかず、脅しにとどめておいたのです。

※クレタでは「オイノピア」と呼び、アイアコス王は「アイギナ(母の名前)」と呼んでいます。

アイギナ島

アテナイの使者ケパロス、援軍を要請

ミノス王と入れ替わりに、アテナイの使者ケパロスがやってきました。アイアコス王の息子たちが、ケパロスを王宮へ案内します。ケパロスの後ろには、アイゲウスの甥パラスの息子クリュトスとブテスが従っていました。

ケパロスは盟約を踏まえて、ミノス王がいかに全ギリシャの覇権をえようとしているか話し、援軍を要請しました。

アイアコス王は快諾します。「水臭いことを言わないでください。この島が持っている兵力をお好きなだけ持っていかれるよう。戦力は十分あります。たとえ敵がこちらを攻めてきても、兵は十分残っています。神のおかげで、わが国は順調ですから」

「それはありがたい」と、笑顔のケパロス。「ところで、到着したおり感じたのですが、同じような年頃、同じような体格の若者が多く見られました。しかし、前に訪問した時にであった人が見受けられませんでしたが……」

女神ユノ、アイギナ島に疫病をおこす

アイアコス王は悲しい顔になり、ため息をつくと話しはじめました。

「痛ましい始まりの後に、やっと幸せが訪れたのです。順を追ってお話しましょう。あなたが懐かしんでいらっしゃる者たちは、みな死んでしまったのです。

恐ろしい疫病が、この島の人々を襲ったのです。この国に敵意を抱く女神ユノ(ヘラ)の怒りによるのです。女神の恋敵、わが母アイギナへのユピテル(ゼウス)の愛が原因でした」

女神ユノ(ヘラ)の怒りが招いた「痛ましい始まり」とはなんだったのでしょうか?