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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 魔女メデイアは竜の車に乗り、世界中9日と9夜の薬草を探しまわる
  2. メデイアおどろおどろしい材料で、アイソンの若返りの薬を調合する
  3. 若返えるイアソンの父アイソン
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

魔女メデイアの9日と9夜の薬草探し

メデイアが竜の車で薬草を探しに、あらゆる地方を回っていたのです。刈り取った薬草、根ごと引き抜いた薬草もあります。すでに9日と9夜がすぎて、テッサリアのイオルコスに戻ることになりました。

竜たちは薬草の香りをかいただけでしたが、古い皮は剥げ落ちていたほどの薬草の効果です。

メデイアは右手に女神ヘカテ、左手に「青春」の祭壇と2つこしらえました。祭壇のそばには2本の溝も作ります。黒い羊の喉を切ると、したたる血を溝にながします。さらに、一杯のぶどう酒と温かい乳を注ぎました。

それからまじないをとなえ、冥界の神ハデスとその妃プロセルピナ(ペルセポネ)に、アイソンの命を性急に奪わないよう願いました。

それからアイソンの体を草を敷いた上に寝かせると、イアソンや他の者をけっして見ないように言い、この場を立ち去らせました。

若返りの薬を調合するメデイア

メデイアは髪をふり乱し、松明を血の溝にひたしてから、2つの祭壇に火をつけます。それから、アイソンの体を炎で3度、水で3度、硫黄で3度清めます。

そうしている間に、薬草の鍋はぐつぐつ煮立ち、白い泡が膨れ上がってきました。鍋の中には薬草の花、葉、根、種、ミミズクの翼と肉、オオカミのはらわた、水蛇のうろこのついた皮、牡鹿の肝臓などが入っています。さらに、あらゆる地方から集めたおどろおどろしい諸々の物を、鍋に入れていきます。

メデイアは、鍋を中をオリーブの枯れ枝でかき回します。すると、何ということでしょうか! 枯れ枝は緑色に変わり、葉をつけ、さらに多くの実までつけたのです。火力によって鍋から飛び散った泡が地に落ちると、そこからは青草が生え、花まで咲いたのです。

若返えるイアソンの父アイソン

アイソンを若返らせる薬を造るメディアアイソンを若返らせる薬を造るメディア

薬汁が完成すると、メデイアはイアソンの父アイソンの喉を切り開きます。切り開いた喉から古い血を全て出し、代わりに血管に薬汁を流し込みます。また、アイソンの口からも飲ませます。

すると、白髪は黒くなり、肌も若々しくなり、シワも消えていきます。痩せ衰えた筋肉は、ふたたび盛り上がってきました。アイソンは、自分が若かった頃の活気が戻ったことを自覚したのです。

アイソンの若返りが終わると、メデイアはイアソンや家の者を呼び寄せます。イアソンは涙を流して、メデイアに感謝し何度も何度も頭を下げました。

思うに、イアソンとメデイアの愛の絶頂がこの時だったのです。