※本ページにはプロモーションが含まれています。

このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 森の中でイアソンと思いがけない出会をし、メデイアの恋は再燃します。
  2. イアソンの3つの試練 ①雄牛たち ②生まれでた兵士たち ③有翼の竜
  3. アルゴー船の目的「金羊毛皮」の奪還をなしとげ、イオルコスに凱旋
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

イアソンとの出会いで、メデイアの恋は再燃!

イアソンはメディアに永遠の愛を誓うイアソン、女神ヘカテの祭壇前で誓う

彼女の心の前には、「正しさ」「人の道」「慎み」が立ちならび、「愛」は旗色が悪くなってきていました。

そのため落ち着きを取り戻したメデイアは、森のヘカテ女神の祭壇へ出かけました。すると、そこにイアソンが現れたのです。旗色が悪くなってきていた「愛」の炎は、たちまち燃えあがります。彼女は、イアソンから目を離すことができなくなりました。

イアソンはそんなメデイアの手を取り、助けを求め、結婚を約束します。彼女は涙を流しながら、彼に言いました。「わかっています。わたしの尽力によって、あなたは救われます。でも、必ず約束は守ってください」

イアソンは女神ヘカテの祭壇と森の神々に、メデイアの祖父で万物をごらんになっている日の神ヘリオスにかけて誓約しました。ヘリオス神は、メデイアの父アイエテス王の父です。

イアソンは彼女から魔法の薬草とその使い方を教えられると、宿舎に帰って行きました。

イアソンの2つの試練—雄牛と兵士たち

イアソン、雄牛をてなづけるイアソン、雄牛をなだめる

次の日、人々が「マルス(アレス)の野」に集まってきました。アイエテス王は緋色の服をまとい、中央に席を取ります。象牙の王笏がひときわ目立っています。

ウルカヌス(ヘパイストス)の雄牛たちは、鼻から火炎をはいています。その火炎は地上の草を焼けこがします。そんな雄牛たちに、イアソンは進んでいきます。ギリシャの同志たちは、恐ろしさに固唾を飲んで見まもっています。

メデイアの薬草に守られたイアソンは、平然と雄牛たちを撫でると、軛(くびき)につけて、鋤を引かせ、野を耕します。コルキスの人々はびっくりしました。同士たちが歓呼の声を上げると、アイエテス王は苦虫を噛みつぶします。

イアソンは竜の歯を取り出すと、耕した野にまきます。すると、武装した兵士たちが大地から生まれてきました。彼らは槍を構えると、今にもイアソンに投げようとします。同士たちは、思わず目をふせました。メデイアさえ恐怖から、真っ青になったくらいです。でも、すぐさま呪文をとなえます。

その時です。イアソンは重い岩を、兵士たちの真ん中に投げ入れました。すると、兵士たちはお互いに戦い合い、最後には1人になりました。イアソンはその残った1人の兵士を簡単に倒します。同士たちは喜びの声をあげ、イアソンをとりかこみ抱きあいます。

メデイアも、その中に入りたかったのですが、それはかないません。ただ、こっそりと自分に授けてくれた呪文の神々に感謝しました。

イアソン3つ目の試練。竜を眠らせ、金羊毛皮の奪還

イアソン金羊毛皮の奪還

最後の試練はアルゴー船の遠征の本来の目的「金羊毛皮の奪還」です。

メデイアは薬草を金羊毛皮の番人・有翼の竜に振りかけました。この薬草の液には「忘却」の作用があります。そして、穏やかな眠りをよびおこす呪文を3回となえました。

こうして、イアソンは金羊毛皮を奪還すると、すぐさまメデイアともどもアルゴー船に乗り、イオルコスに凱旋したのです。

※『変身物語』には出ていませんが、メデイアの父アイエテス王みずから追手となって、アルゴー船に迫ります。メデイアは、一緒に同行していた弟アプシュルトスの頭、手足を切り離し、体とともに海に投げ入れます。追手がバラバラになった体を探している間に、アルゴー船は逃げることができたのです。