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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. オレイテュイアに恋する北風の神ボレアス
  2. オレイテュイアをなかなか得られず、ボレアス激怒する
  3. 北風の神ボレアスのオレイテュイア略奪
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

オレイテュイアに恋するボレアス

プロクネとピロメラ姉妹の悲劇に早死にした父アテナイ王パンディオンの後を継いだのが息子エレクテウスです。彼はすぐれた王で、4人の息子と4人の娘がいました。

娘の2人は美貌で有名でした。そのうちの1人プロクリスは、風神の主アイオロスの孫ケパロスに嫁いでいました。もう1人がオレイテュイアです。彼女を愛したのが、北風の神ボレアスでした。

しかし、ボレアスは乱暴なトラキア人、とりわけプロクネの夫テレウス王と同郷(→「ピロメラとプロクネ」参照)であったため、慎重にエレクテウス王と接していたのです。元来は粗暴な性格でしたが、力を用いるより、懇願をしていたのです。

北風の神ボレアスの激怒

下手に出ているだけではオレイテュイアを手に入れることができない、と気づいた北風の神ボレアスは怒り言いはなちます。

「凶暴、力づく、怒り、威嚇—これが俺の武器だ! どうして今まで、これらを使わなかったのか? 頭を下げるのは俺の流儀ではない! 暴力によってこそ、黒雲をおいはらい、海を騒がせ、雪を固まらせ、大地を霰(あられ)でたたき、木々をなぎたおすのだ。

空が俺の縄張りだ。兄弟の風と遭遇する時も全力で戦うのだ。大空で雷鳴が光りとどろくと、大地は揺れる。この力を使って、妻を求めるべきであった。エレクテウスに手を合わせて頼むばかりが、能ではなかったのだ」

ボレアスのオレイテュイア略奪

ボレアスは翼を広げ、アテナイへ飛んでいきます。大地はその風でたたかれ、大海原は波立ちます。

迫りくるボレアスを見ると、オレイテュイアは恐怖で震えました。しかし、なす術はありません。黄金の翼で彼女をかき抱くと、北風の神は激しく恋心を燃やします。そして、一気にトラキアの地まで飛んでいったのです。

オレイテュイアはボレアスの妃になり、双子の男子を生みました。カライスとぜテスです。小さいうちは父親譲りの黄金の翼はありませんでしたが、大きくなると立派な翼が生えてきました。

やがて、カライスとゼテスはアルゴー船の遠征隊に加わります。