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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. オリュンポスの食卓に招待されるただ1人の人間タンタロス
  2. 冥界のさらに下の世界タルタロスで永劫の罰を受けるタンタロス
  3. タンタロスの息子ペロプスの復活
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

オリュンポスの食卓に招待されるタンタロス

人間タンタロスは、大神ユピテル(ゼウス)と海の女神プルトの子とされています。しかし、両親が神なのに、なぜ彼は人間なのかは疑問です。

タンタロスはユピテルの子ですから、オリュンポスの饗宴に席を与えられていました。とうぜん神酒ネクタルを飲み、アムブロシアも食べていたので、彼は不死の体だったのです。

ある日、タンタロスは神々を自分の領地シピュロスに招きました。その時、息子ペロプスを殺し、その体を切り刻んでシチューにし、食卓に出したのです。神を試すつもりだったのか、善意からだったのかはわかりません。

神々は料理の正体に気づいて、食べることはありませんでした。ただ1人豊穣の女神ケレス(デメテル)だけが、気付かず左肩の肉を食べてしまったのです。その時、ケレスは失踪した娘プロセルピナ(ペルセポネ)のことで疲れ切っていたからです。

また、タンタロスはオリュンポスの饗宴での神々の話を友人にこっそり教えたり、ネクタルやアムブロシアを盗んで人間の友人に与えたりもしてもいました。

こんなことから、タンタロスは神々の激怒をかってしまったのです。

タンタロス、タルタロスに落とされるタンタロス、タルタロスに落とされる

永劫の罰を受けるタンタロス

神々の激怒をかったタンタロスは、冥界のはるか下の世界タルタロスに送られました。

タンタロスは沼の上に枝を広げた果樹に吊されました。沼の水が満ちてきてあごまで届き、タンタロスがそれを飲もうとするとあっという間に水は引いてしまうのです。また、果樹の枝にはさまざまな果実が実っていますが、タンタロスがこれ取って食べようとすると、風が吹き実のついた枝を舞い上げてしまうのです。

こうして、タンタロスは不死の体がわざわいして、永遠に終わらない飢えと渇きの罰を受けているのです。

タルタロスのタンタロスタルタロス(冥界のさらに下)のタンタロス

タンタロスの息子ペロプスの復活

タンタロスを罰した大神ユピテル(ゼウス)は、メルクリウス(ヘルメス)に命じてペロプスの身体を集め、復活させました。この時豊穣の女神ケレス(デメテル)は彼に自分が食べた左肩の代わりに、象牙でできた肩を与えました。

その後、運命の女神クロトが四肢を縫い合わせ、レアが生命を吹き込みました。

こうしてペロプスは輝くばかりの美少年となって復活。海神ネプトゥヌス(ポセイドン)はペロプスを一目見て愛し、オリュンポスでユピテルがガニュメデスを待童としたように、ペロプスを自分の侍童としたのでした。

また、ペロプスはシピュロスの王位を継ぎましたが、トロイア王イーロスの勢力に押されてギリシアへと移っていきました。その後、彼はヒッポダメイアと結婚することになります。

※オウィディウス『変身物語』では、ペロプスについてはあまり書かれていません。ニオべは人々に憎まれていたようですが、兄ペロプスだけはニオべの運命に涙したといいいます。