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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. ペンテウス王に捕まった信者アコイテスのバッカス(ディオニュソス)の話
  2. バッカスは船乗りに誘拐され、エジプトに奴隷として売り飛ばされそうになる。
  3. 船乗りの悪巧みに気づくバッカス。ヒョウを侍らせた本来の姿を表す。
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

ペンテウス王の家来に捕らえられた男

酒神バッカス(ディオニュソス)

ペンテウス王にバッカス(ディオニュソス)を捕らえろと命じられた家来たち。彼らは血まみれになりながらも、1人の男を捕らえて戻ってきました。「バッカスは見あたりませんでした。代わりにこの男を捕まえました」。バッカスの祭儀を行っている1人です。

ペンテウス王は怒りを抑えて、男に命じます。
「お前は、どの道死ぬことになる。その前に、お前の出身と名、なぜバッカスの祭儀に入れあげているか話してみよ」

死を前にしては、落ち着き払ってみえる男は話しはじめます。
「リュディアの出身のアコイテスといいます。家は貧乏で財産もなく、船を操る技術を学んだのです。また、星座も観察し、風の実体や港も覚えました」

バッカスとアコイテスの出会い

アコイテスの話は続きます。

「デロス島へ向かっている時、船がキオス島の浜辺に近づきました。わたしたちは、一夜をその島ですごすことにしました。翌朝、仲間に水を汲みにいかせ、わたしは風の向きなどを確認するために小高い丘へ登りました。その後、みんなに声をかけて船に帰ろうとした時、『おーい、ここにいるぞ!』とオペルテス。

彼は、女の子のように美しい男の子を連れてきました。酒に酔っているかのようで、足元がふらついていました。

しかし、わたしにはその子は雰囲気から、とても人間とは思えなかったのです。だから、仲間に言いました。『この子の中には、神様がいらっしゃる。失礼があってはならぬ』それから、その子に『わしらの仕事にお慈悲を、ご加護を! 連れてきたことはお許しを』と願いました。

すると、『わしらのために祈ってはもらうまい』とディクテュス。そのほかの船乗りも、もう男の子を奴隷として売ろうといていたのです。わたしは言いました『そんな不敬でこの船を穢すことは許さない。かじ取りのわたしが最大の権限を持っている』と。しかし、一番若くて乱暴なリュカバスがわたしに暴力を振るおうとしたのです。わたしはよろめいて、船の綱につかみました」

バッカス、船乗りに誘拐されるバッカス、船乗りに誘拐される

「その時です。今までは酔って眠ってるかのようでしたが、男の子が口を開いたのです。『なんの騒ぎなの? 船乗りのおじさんたち、僕をどこへ連れて行こうっていうの?』

『怖がることはないよ。どこの港に行きたい? 連れてってあげるから』とプロレウス。

『ナクソス島へ。そこに家があり、みんな手厚いもてなしを受けられるよ』と男の子。船乗りは『神々にかけてそうしよう』と言いました。わたしは帆をあげて、右に進むようにしました。ナクソス島は右手にあります。すると、

『何をするのだ、アコイテス。左へ行くのだ!』他の船乗りもうなづいて、わたしにそう合図します。わたしは『他の者が舵を取れば良い』と拒否しました。すると、アイタリオンが舵の役目をしました」

バッカス、船乗りの悪巧みに気づくと…

アコイテスの話は続きます。

「男の子—実は酒神バッカス(ディオニュソス)—は、船乗りの悪巧みに気づいたのです。泣いているふりをして、こうおっしゃいました。

『おじさんたち、この方向はナクソス島ではないよ。僕が何をしたっていうのかな? おじさんたち大勢で、たった1人の子供を騙すのが名誉なの?』

わたしは泣いていました。不信心な船乗りは、そんなわたしをあざわらいます。わたしは神にかけて—この神様しか近くにいませんが—ウソではないと誓います。その時、船は大海の中にピタッと止まってしまったのです。

船乗りは帆の方向を変えたり、櫂でこいたりしましたが、船は動きません。なんと、櫂には常春藤(キヅタ)が絡まっているではありませんか!

酒神バッカスは、房になった葡萄をを頭にまき、常春藤の葉におおわれた杖を振りかざしていらっしゃいます。神の近くにはまだら模様のヒョウが寝そべっていました」

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