「セメレお嬢さま、本当にユピテル様だとよいのですが……。名ばかりではあてになりません。何か証拠を見せてもらいなさい。たとえば、本来のご威光を身につけて会いにきて欲しいとか願いなさいませ」
バッカスの記事一覧
酒神バッカス「その時です。今までは酔って眠ってるかのようでしたが、男の子が口を開いたのです。『なんの騒ぎなの? 船乗りのおじさんたち、僕をどこへ連れて行こうっていうの?』
暗がりばかりを求めていたミニュアスの娘たちの手足は小さくなり、皮膜が広がり、腕は薄い翼になったのです。そして、小さくなった体は宙に浮いているのです。
ミダス王は、本当に触るものがすべて黄金になるか試してみました。ヒイラギの小枝を折って手に取ると、小枝と葉は黄金に変わっていました。地面から石を拾いあげると、金塊に変わりました。しかし……
ミダス王の秘密を知った理髪師。館をこっそり抜け出し、野原に行くと地面に穴を堀ってその穴にささやいたのです。「王様の耳はロバの耳!」と。一年後、野原には葦が一面に生えてきて、風にさやさやそよぐようになりました。