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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. アポロンとディアナ(アルテミス)はまずニオべの7人の息子を虐殺
  2. 父アムピオンの自殺と息子たちをともらう6人の娘の死
  3. 末っ子の娘の死と石となるニオべ
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

ニオべの7人の息子の死

虐殺するアポロンとディアナ(アルテミス)ニオべの子どもを虐殺するアポロンとディアナ

市壁に近くに広々した野が広がっています。ここにアムピオンとニオべの7人の息子たちが乗馬や格闘技の訓練をしていました。

黄金の手綱をとり、チュロス染めの真紅の敷物を敷いた立派な馬にまたがっている彼らの中から、とつぜん「あ、やられた!」と、長男イスメノスが叫びました。その胸には矢が刺さっています。彼は、そのまま馬から転げ落ちました。

それを見たシュピロスは、馬を走らせます。しかし、矢のほうが早く、後ろから彼の首に刺さります。見ると矢尻が喉から突き出ています。彼は馬の頭を超えて前から地上に落ちました。

パイディモスと祖父の名を受け継いでいるタンタロスは、体に油を塗り格闘技をしていました。組み合っている2人を一本の矢が貫きます。彼らは苦痛の呻き声を上げると一緒に倒れました。

アルぺノルが2人に駆け寄ります。2人を抱きおこそうとすると、アポロンの矢が胸を射抜きます。彼は矢を引き抜くと、血がほとばしり息絶えました。

まだ小さいダマシクトンの後ろから、膝に第1の矢が刺さります。その矢を抜こうとしていると、第2の矢が喉を射抜いたのです。

最後に残った7人目のイリオネウスは腕を差し上げ「神々よ、わたしの命をお助けください!」と叫びます。アポロンはさすが哀れに思ったのですが、すでに矢は放たれていたのです。

こうして、ニオべの7人の息子は死んでいったのです。

ディアナ(アルテミス)アディアナのこの不気味な顔を見よ!

父アムピオンの自殺と6人の娘の死

息子たちの死は、すぐに父アムピオンと母ニオべに伝えられました。アムピオンは絶望のあまり、剣を胸に刺して自殺してしまいました。ニオべはこんなことがありうるのか! 神々がこんな暴挙をしたこと、これほどまでの権限をほしいままにしていることに腹を立てました。

ニオべは息子たちに別れの口づけをすると「無慈悲なラトーナ(レト)よ、わたしの悲しみと不幸に満足するがよい。7人の息子の死は、わたしの死と同じ。あなたが勝ったのだ。凱歌をあげて、わたしをあざ笑うがよい! でも、あなたが勝った? それでも、わたしにはまだ7人の娘がいる、あなたには負けてはいないのだ!」

ニオべがこう言ったとたん、すぐさま弓の弦が響きました! この時、ニオべの娘たちは、死んだ息子たちのそばに立っていました。

1人の娘は息子の死体の上に倒れました。母を慰めていた娘の言葉が急に止まり、崩れ落ちました。もう1人も倒れました。姉妹の上に折り重なって死んだ娘もいました。こうして6人の娘が、母ニオべのまわりで死んでいったのです。

ニオべの悲劇ニオべ、末っ子の娘の命を願う

末っ子の娘の死と石となるニオべ

「末っ子の、この1人だけは許して! 一番幼い、この子だけは」。ニオべは最後に残った末っ子の娘を衣服でおおい隠し、叫びました。

しかし、その子も射殺されました。ただ1人残されたニオべは、夫アムピオンの亡骸のそばに崩れるように座り込んでしまいました。彼女の体はみる見る硬直して、顔もこわばり、血の流れも止まりました。首は曲がらず、足はもはや動きません。

ニオべは、石になったのです。

石になっても、ニオべは泣いていました。激しいつむじ風が吹くと、その風はニオべを故国リュディアに運んでいきました。そしてニオべは、今でも涙を流しているのです。

ニオベの泣き岩リュディア地方にあるニオベの泣き岩