トロイアの王妃ヘカベ。これほどの不幸な女性の話は聞いたことはありません。ヘカベの子供たちすべて、トロイア陥落前後に、みな殺されてしまいました。その悲惨な彼女を扱った悲劇が、エウリビデス作『ヘカベ』です。
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ポリュクセネの犠牲 女の中で一番不幸なトロイア王プリアモスの妃 トロイアのヘカベの娘ポリュクセネは、処刑される前にこう言いました。「わたしは進んで死ぬのです。誰もわが身に触れてはなりません。首は差し出しましょう。自由な女として死ぬために」と…
ヘカベは女たちの手を借り、トラキアの支配者ポリュメストルの目を潰し、二人のふたりの幼子も殺して、ポリュドロスの復讐を果たしました。アガメムノンはこの騒ぎを公平に判断するために、ポリュメストルとヘカベの言い分を聞きます。