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このギリシャ・ローマ神話3つのポイント
  1. 女嫌いのピュグマリオン、まるで生きてるような大理石の乙女を彫りあげました。
  2. 女神ウェヌス(アフロディテ)、ピュグマリオンの願いをかなえる。
  3. ピュグマリオン、大理石の乙女(ガラテア)と結婚し、パポスという娘をえる
    ※神の名前は、ローマ神話名(ギリシャ神話名)です。

女嫌いのピュグマリオン、大理石の乙女を彫る

娼婦になった【プロポイトスの娘たち】をみていたピュグマリオン。彼は女の悪いところを見ていたせいで、女嫌いになりました。恋人も作らず、もちろん結婚することもありません。

そして、いつしか大理石の乙女を彫ったのです。その彫像はまるで生きているかよう、彼は恋に落ちてしいました。

ピュグマリオンは彫像に口づけをし、話しかけ、抱きしめました。服を着せ、宝石の指輪をし、首飾りもつけました。「愛しい妻よ」と呼んでは、柔らかい羽の枕に頭をそっとのせ、ベッドに寝かしもしました。

※オウィディウス『変身物語』では、象牙の像となっています。象牙ですと人間の大きさになりませんので、ここでは大理石としました。

女神ウェヌス、ピュグマリオンの願いをかなえる

キュプロス島での女神ウェヌス(アフロディテ)の祭りの日、角に金を被せた雌牛を捧げた時、その務めを終えたピュグマリオンは祭壇の前で願いました。

「どうか、わたしの妻として、大理石の乙女に似た女を妻にください」と。さすがに『大理石の乙女を妻にください』とは言えませんでした。

祭りに立ち会っていた女神ウェヌスは、ピュグマリオンの願いを聞きとどけ、祭壇の炎を三度高く燃えあげらせました。

彫像と結婚したピュグマリオン

家に帰ったピュグマリオンは、すぐに大理石の乙女に近よりました。口づけをすると、なんだか柔らかく、また温かいように感じられました。

手で体を押してみると、何ということでしょう、温められたロウのようにその部分が凹むのです。ピュグマリオンはびっくりしました。何度も何度も体を触ってみました。確かに肌は暖かく、血が通っているように感じられます。

喜びと不安でいっぱいになったピュグマリオンは、女神ウェヌス(アフロディテ)に感謝しました。そして、今度はそっと唇に唇を重ねたのです。

大理石の乙女——今や人間になったガラテアは、恥ずかしそうにピュグマリオンを見つめます。

ピュグマリオンは、ガラテアと結婚することになり、女神も立ち会いました。そして、9ヶ月後に2人にはパポスという娘が生まれました。その娘の名にちなんで、この町はパポスと呼ばれるようになります。

このパポスの息子が、キニュラスです。キニュラスには娘ミュラが生まれ、不幸な父親と呼ばれるようになります。
(そのお話は次回)