ニオべは息子たちに別れの口づけをすると「無慈悲なラトーナ(レト)よ、わたしの悲しみと不幸に満足するがよい。7人の息子の死は、わたしの死と同じ。あなたが勝ったのだ。でも、あなたが勝った? それでも、わたしにはまだ7人の娘がいる」
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女神ラトーナはもはや喉の渇きより、怒りの方が強くなっていました。両手を高く差しあげると、リュキアの農夫たちにむかい「お前たちはこの池で、いつまでも生きていきなさい!」と宣言したのです。
「ああ、早まったことをしたものだ! たかが笛ひとつでこんな目にあうなんて!」アポロンはマルシュアスの皮を剥いでいきます。剥がれた皮と筋肉のあいだから血が流れでます。
タンタロスは神々を自分の領地シピュロスに招きました。その時、息子ペロプスを殺し、その体を切り刻んでシチューにし、食卓に出したのです。神々は料理の正体に気づいて、食べることはありませんでした。ただ1人豊穣の女神ケレスだけは…
トラキア王テレウスとプロクネの結婚。結婚を祝う女神ヒュメナイオスは立ち会わず、復讐の女神エウメニデスが松明を持って現れたのです。一体なんの復讐なのか? そして、屋根には不吉なフクロウまで止まっていたのです。
ピロメラを乗せた船が、テレウスの故郷トラキアに到着。しかし、姉プロクネの待つ館にピロメラが会いに行くことはありません。彼女は森にある羊小屋に、テレウスに連れ込まれたからです。
プロクネ「お呼びの息子は、あなたの中にいますわ」。テレウス「どこにいるのだ?」。そこへ髪を殺戮の血で濡らしたピロメラが入ってくると、イテュスの首を父親に投げつけたのです。
北風の神ボレアス「凶暴、力づく、怒り、威嚇—これが俺の武器だ! どうして今まで、これらを使わなかったのか? 頭を下げるのは俺の流儀ではない! 暴力によってこそ、オレイテュイアを手に入れることができるのだ」
イアソンは50人も乗れる大きな船を工匠アルゴスに頼みました。当時はカヌー程度の舟しかなかったので、前代未聞の大きな船です。そして、アルゴスが造った船だったので〈アルゴー号〉と名付けられました。
メデイアの独白「抵抗しても、無駄なこと。恋するって、こんなことなのかしら。それにしても、お父様の命令は酷すぎる! ああ、イアソン、あなたの安否が気にかかる。ああ、情熱と理性が別々のことをすすめる!」
メデイアは薬草を金羊毛皮の番人・有翼の竜に振りかけました。この薬草の液には「忘却」の作用があります。そして、穏やかな眠りをよびおこす呪文を3回となえました。こうして、イアソンは金羊毛皮を奪還したのです。
イアソンはメデイアに頼みます。「妻よ、こうして戻ってこれたのは、おまえのおかげだ。おまえの魔力は信じがたいほどである。もし、できるならわたしの寿命の少しを削って、父親の方に回してもらえないだろうか」